爆裂BOX

人喰い人魚伝説の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

人喰い人魚伝説(2000年製作の映画)
3.0
20世紀初頭、興行主アンガスと恋人のリリーが営む見世物小屋にやってきた老船長が人魚をニセモノだと難癖をつけだす。慌てた二人に自宅まで送り返された船長は二人に本物の人魚を見せ…というストーリー。
AIPが50年代に制作したB級モンスター映画をスタン・ウィンストンスタジオ等がリメイクしたTVシリーズ「クリチャー・フィーチャーズ」の一編。元ネタは「海獣の霊を呼ぶ女」ですが、このシリーズの他作品同様内容は別物になっています。
人魚を見てどうしても手に入れたくなったアンガスは仲間と共に老船長の屋敷に忍び込むも見つかって揉めているうちにうっかり殺害してしまい、慌てて人魚を連れてアメリカ行きの船に乗るも、人魚は夜毎水槽を抜け出して船員を襲っていくという内容になっています。
冒頭の見世物小屋のちょっと妖しい雰囲気や全体を覆うレトロでゴシックな雰囲気はいいのですが、前半はドラマ重視な感じでカーラ・グギーノ円知るリリーが人魚に精神感応を受けておかしくなっていく所が描かれますが、その狂いっぷりが中途半端でじっくり描かれる割には狂ってる感無くて入り込めません。人魚が人を襲っていく様も直接的な描写やゴア描写ないので後半までかったるくてダレました。ルーファス・シーエル演じる興行主は欲深い悪い奴ではあるけど恋人の事は愛してて心配するのはちょっと新鮮かな。
人魚の水かきついた手や尻尾はスタン・ウィンストンスタジオが手掛けてるだけあって質感も良かったです。この人魚が補厘をテレパシー?で妊娠させる能力も説明がないのでよくわからないまま終わります。種の繁栄の為?一番最初に襲う船員がリリーに絡んできた船員なのはリリーと精神感応して共感したからだと思いますが、リリーと人魚が心通わせる描写が足りないのでイマイチ納得しづらい。後半では足生えたりして、船員達にイジメられて同情誘うシーン挟まれるけど、でも実際船員食ってるしなぁ…と共感は出来ませんでしたね。人魚を演じたリア・キルステッドはほぼ水の中での演技は素晴らしい。終始トップレスなのも思い切りがいい。何処か人間離れした表情が合ってました。
後半、実は女王だった人魚に操られて人魚の島に着いた船内で真の姿を現しますが、全身に巨大なヒレやトゲの様な突起物が付いた何処か「エイリアン2」のエイリアンクイーン彷彿させる姿は見応えあって素晴らしい。尻尾を引きずりながら船内を徘徊する姿も良い感じでした。ただ暴れっぷりと殺戮シーンを見せてくれなかったのは残念でした。一室に集まった船員達を殺すシーン見たかった。死体散らばってるのを見せるだけなのはやっぱり物足りないですね。
ラストのオチを見る限りリリーを殺さなかったのは自分の子供を妊娠させてたからだろうなぁ。
ドラマ部分はかったるかったですが、後半のクリーチャーデザインは見応えある作品でした。