悪魔の毒々クチビル

人喰い人魚伝説の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

人喰い人魚伝説(2000年製作の映画)
3.0
インチキ見世物小屋で稼いでいた一団が、本物の人魚を捕らえたおじさんと出会う。
団長は金儲けの為、おじさんから人魚を奪い次の目的地に出航するが…


まず序盤、この一団によるインチキ芸のくだりを観て「あれ?これ観たことあるな」と気付く。
まぁ殆ど覚えていないしって事でそのまま観続けたんですけど、成る程こういう感じだったか。

人魚が人を襲う直接的な描写はかなり少なく、そうなると当然ゴアもないんですけどそれよりも中盤がかったるかったのがマイナスでした。
この人魚のよく分からない精神攻撃によって、ヒロインが段々とおかしくなっていくのですが錯乱っぷりが全然振り切れていなくて物足りなかったです。
そのくせ矢鱈とじっくり狂っていく様を見せ付けられるので、観ているこっちの身にもなって欲しかったですね。
因みにヒロインはカーラ・グギーノです。

あと人魚は相手を妊娠させられる能力を持っていますが、何故かはさっぱり分かりません。
人間を遠隔妊娠させられる人魚って、聞こえは新鮮ですが流石に何の説明も描写もないのは適当過ぎるのでは。
何となく人魚に同情するようなシーンもありましたが、こちらも中途半端な挟み方だったので蛇足でしかありませんでした。

ただそんな人魚を演じたリア・キルステッドは良かったです。
ほぼ全編に渡り水中にいたので撮影は大変だっただろうし、良い意味で人間味の無い表情が一見人に似ていても全く異なる生物であるという事実を、上手く顔だけで表現出来ていたと思います。
あと人魚って基本は貝殻なり何かしら上半身に身に付けているイメージですが、今作は見事にトップレスでした。
余談ですが、そんなリアさん、後に「ホームアローン3」に泥棒グループの一人として出演し、エラい目にあっています。


そして終盤でこの人魚の真の姿が露になるのですが、それも好みでした。
クリーチャー好きは必見、とまでは言いませんがどこか「スピーシーズ」辺りを彷彿とさせる見た目が中々良かったです。
アナログ感溢れる良い出来映えだなと思っていましたが、どうやら製作にスタン・ウィンストンが関わっていたようで。

今作の人魚は男なんぞ餌にしか思っていないストイックな方だったので、中盤のかったるい演出をカットして人魚さんの捕食者っぷりを強調していればもっと良くなったような気がします。

そう言えば今作をレンタルした時はこれと「ウィッチマウンテン」と「新・ハウリング」の組み合わせだったんだけど、何となく気分で選んだ3枚の内2枚にカーラ・グギーノ出てるって凄くない?