イチロヲ

実録不良少女 姦のイチロヲのレビュー・感想・評価

実録不良少女 姦(1977年製作の映画)
3.5
16歳の若さで出産した元不良の少女(日夏たより)が、身ひとつで子育てを強行しようとする。荒ぶっていた少女が、子育てする母親へと成長するまでを綴っている、日活ロマンポルノ。港マコの自叙伝「横浜ざんげ録 遊び人の世界」をベースにしている。

本作では、赤子の父親役として内田裕也が登場。ロマンポルノ初出演でありながら、早くも実在感たっぷりの無責任親父ぶりを発揮している。また、主人公の担任教師役を岸部一徳が演じており、ギクシャクした初々しい芝居を見ることができる。

主人公の不良仲間全員の顛末を、個別に綴っているところが面白い。デタラメな青春時代を過ごした少年少女が、ポジティブ方向に成長したり、ネガティブ方向に堕ちたりする。「不良の生態を説いている作品」という見地で鑑賞するのが最良。

女同士のタイマン勝負の場面では、東映のスケバンものとは異なる、リアル志向の流血表現が登場。ビンパチ流の演出で「スケバンもの」が見られるところも醍醐味。
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