のふのふ

ヤング・アダルト・ニューヨークののふのふのレビュー・感想・評価

3.9
〝どう老いるのかいつも話してたの、出た答えは「人並み」よ〟

監督はノアバームバック。
8年間も新作が完成していないドキュメンタリー映画監督のジョシュと、妻のコーネリア。40代になり、人生にも夫婦にも何かが欠けていると感じるようになったある日、ジェイミーとダービーという20代のカップルと知り合う。時代に乗り遅れたくないとSNSに縛られる日々を送る自分たちに比べ、自由でクリエイティブに生き、レトロなカルチャーを愛する若い2人に刺激を受けたジョシュとコーネリアは、再び活力を取り戻していくが……。
中年夫婦をベンスティラー×ナオミワッツ、若夫婦をアダムドライバー×アマンダセイフライドが演じてます!




うーん!
もっと軽快な、そして夫婦ものかと思ってたら全然違うお話でした!


主人公夫婦は40半ばのジョシュとコーネリア。
執念や恐怖で凝り固まりなかなか現状から抜け出せずにいるこの2人。
何かとグチグチ言うだけでやらずじまい。
ベンスティラーも老けましたね..笑





そこへジェイミーとダービーという若夫婦に出会い、彼らの人生を謳歌する生き方に刺激受けていく!


この刺激を受けてだんだん活力を取り戻していくジョシュとコーネリアの姿が痛々しいんだけど、観てておもしろかった!

そして、レコードがぎっしり!手作りの家具!
魅力の詰まった若夫婦の部屋もずっと観ていたかったですね〜!

あと、思い出せなかった時、すぐにググらずにあえて知らないままにしておく、
「そのままにしておこう!」そんな思い出す〝過程を楽しむ〟ことを知る描写もおもしろかった!
アダムドライバーの演技も今まで観た中で1番好きかも!



ただ後半から流れがガラッと変わっていきます。
〝記録映画が映し出すべきは自分〟
そう考えるジョシュは、ジェイミーの若さゆえの行動と対峙する!


いい意味で要領のいい人。
こういう人いますよね...
個人的には苦手なタイプ|ω・`)



そして、
ジェイミーとの対峙を経てジョシュは大人として成長していきます!
今作では映画=人生のように描かれてましたね!
〝心を開き撮影対象から学ぶ〟
そして受け入れていく。

人並みの人生かもしれない。
でもいかに真剣に生きたか、その過程が大事。


〝あなたは映画を完成できない監督よ〟
そんな今まで恐怖や執念で凝り固まっていた男が
やっと前へと進んでいこうとする姿は応援したくなりました


あと、音楽や音の使い方も印象的でしたね!
ムード出すためにシレーッとブレードランナーの愛のテーマ流すのは笑った!



以上、「ヤングアダルトニューヨーク」!
いわゆる観る人を選ぶ映画のような気もします。
個人的には、〝まだ若いうちに〟観といて正解だったのかも!

ただ、最後のある着地はそれでいいのか、モヤモヤというか、ほろ苦い余韻も残す作品でした。
もっと大人になるとピンとくるのかな..
また数年後見返したくなる、そんな映画でした!

オススメです!
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