真鍋新一

サイレンサー第2弾/殺人部隊の真鍋新一のレビュー・感想・評価

2.8
話自体は本当にしょうもないのだが、楽しいと面白いは絶対の正義。ディスコで爆踊りしているアン=マーグレットを観ているだけで幸せになれる。ディーン・マーティンは相変わらず超適当。車を運転してるのに前を全然見てないし、なんなら平気で酒も飲む。高田純次みたいなもんである。

前作の逆さに弾が出る銃もそうだったが、引き鉄を引いてから10秒経つと発射される銃はあまりにも人を食いすぎている。このシリーズの秘密組織・ICEで開発された武器では死にたくない。一回だけならまだしも、しつこくしつこく何度も使う。

話の主軸は都市を一発で壊滅させられるレーザー兵器を敵から取り戻すというものだが、冒頭の死んだフリなど、本家007シリーズが結果的に本作の後を追う形になった決定的な描写があり、これがショーン・コネリーの末期2作『二度死ぬ』『ダイヤモンドは永遠に』の評価がいまひとつ高くない原因のような気がする。

音楽は前作のエルマー・バーンスタインから。ラロ・シフリンに変更になっていて、劇中歌はボイス&ハート、それから作詞でニール・セダカの相棒、ハワード・グリーンフィールド。どんなに内容がハチャメチャでも音楽は一切手抜きなし。このバランス感がハリウッドのエンタメという気がする。ディスコのバンドはディーン・マーティンの息子がいるディノ・デジ&ビリー。ヒロインのアン=マーグレットが働くレコード屋はシナトラのLPばかりを陳列していたり、その辺の楽屋落ちネタは相変わらずである。
真鍋新一

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