マーくんパパ

ナチュラルのマーくんパパのネタバレレビュー・内容・結末

ナチュラル(1984年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

〝ナチュラル=天性の才能を持った男〟若きロイ・ハブスが前途揚々とシカゴ・カブスの入団テストを受けに故郷を出発する。野球を愛した父は亡くなり幼馴染のアイリスと一夜の愛を交わし、雷で裂けた木から作った自家製バット〝ワンダーボーイ〟を携えて旅立つ。車中出会った大リーグ屈指のスラッガーと停車中に勝負し三球三振に仕留め才能の片鱗を見せる。しかし近寄ってきた謎の美女にちょっとよろめきホテルの部屋に入るといきなり銃で撃たれ重傷を負い呆気なく夢は絶たれる。それから16年後、35歳のオールドルーキーとして弱小球団ニューヨーク・ナイツの一員となってメキメキ遅咲きの才能が開花する。空白の過去を詮索する周囲に口を閉ざすロイ。監督の姪っ子とよろしくなって打撃不振になったり、監督とオーナーの経営権賭けた戦いには巻き込まれ八百長試合を強迫されたりのドラマあるが最後は吹っ切ってナショナルリーグプレーオフ、パイレーツ戦で長年愛用した〝ワンダーボーイ〟の折れたバットの替わりに差し出されたボールボーイの〝サボイスペシャル〟で劇的サヨナラホームランをかっ飛ばす幕切れ。この種のスポーツ映画ではプレーの迫力&本物らしさをどこまで出せるかがポイントとなるがこれは残念ながら今一歩。『打撃王』は本物実写を入れながら本物ベーブ・ルースを友情出演させて臨場感を高めた。弱小チームとはいえ仮にも皆の憧れ大リーグ、草野球並みの動きと凡プレーに気が散らされる。どんなにロイが才能あっても体幹的には完全な中距離ヒッター、照明灯をブチ破るホームラン打てるわけない。あれだけ苦悩してメジャーリーガーになってすぐに女にうつつを抜かしてスランプになるのも解せない。バットも数グラムの違いで感覚狂うのに借り物バットで即快挙も…、細かいこと言い出したらキリがない。それら全てを差し引いて観戦してる幼馴染の子供の父は自分だったことを知らされ神が舞い降りて奇跡の一打に繋がったと解釈し、粉々に割れて飛び散った照明灯の明かりが祝福シャワーのように降り注ぐ出来過ぎフィナーレに拍手贈ります。「人生には2つある 学ぶ人生とその後を生きる人生と」は深い言葉ダネ。