このレビューはネタバレを含みます
2024-54
子供の頃から野球に打ち込み、実力を見込まれている期待の新人だったロイ・ハブス。しかし、謎の女からの銃撃を受けて野球の道を一時絶たれてしまう。それでも野球が大好きな彼は諦められず、16年間野球を追いかけてきた。そしてついに、夢を叶えられる場所へ辿り着くのだが……｡
説明してくれない部分が多いので謎が残るものの、王道ストーリーなので心配せずに見られる。ただ主人公は35歳で他の選手より年上、しかも16年前に撃たれた傷がまだ痛むというバッドコンディション。後半にはボロボロの体を酷使するのでその辺は心配になる。
若いとき思いがけない出来事で「道がそれて」夢を叶えられず、苦しい日々を過ごしたロイ。周りにバカにされても、判事(球団のオーナー)などからの不正を持ちかけられても、断固として自分の信念を曲げずに突っ走る姿はまさに勇者。そこまで強い気持ちを持つことになったのはきっと辛い日々があったから。それをバネにして飛躍できるのは本当にすごいこと。
主人公は35歳だが、レッドフォードはこの時48歳。35にはあまり見えないが、それでもカッコいい。
レッドフォードは本作への出演を熱望したと言われているらしい。
元々スポーツ万能だった彼は、特に得意だった野球で特待生としてコロラド大学に進学したものの、未成年での飲酒が発覚して1年で中退。その後は画家を目指してヨーロッパに行くが挫折。演劇学校で舞台美術を学ぶがそれも上手くいかず俳優に転身するが、『明日に向って撃て！』でキッド役を掴んだ33歳まで日の目を見ない時期を過ごした過去がある。
そんな彼の過去は主人公ロイの人生と似ている点が多いので、少なからず自分と重ねて見る部分があったのかもしれない。
面白シーンも時々ある。でも主人公が自分のことをあまり話したがらないことも相まって作品自体が全体的にあまり説明してくれないので、謎が残る部分がチラホラある。
・主人公を撃った女は誰なのか？
・あのとき何を食べさせられたのか？
が気になるけどそこの説明はない。
殺し屋映画を観た後だからか、ロイの実力を危惧した敵チームが殺し屋を送ったのかと思ったけど絶対違う(笑)
最初はもう一人の男を狙っていたがロイが彼より上手いと知ってロイに目をつけた？で、撃った？なんだ……酷い野球嫌いか何かか？そのあとの行動も謎だし、彼女は一体何がしたかったのか不明。ロイが野球を断念するために用意された使い捨てキャラ感が否めない。
最後の演出は過剰な感じでいきなり嘘くさく見えてしまった。過剰だし派手すぎな気がするけど、レッドフォードはああいう演出も似合っちゃうんだよな〜。
にしても16年前に撃たれた傷がまだ痛むとか本当にあるのかな？
