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セールスマンの死のとぽとぽのレビュー・感想・評価

セールスマンの死(1985年製作の映画)
3.5
死んだほうがましだ

ダイヤモンドという見つけられぬ象徴、何者にもなれないで人の上には立てないまま凡人として終わっていく現実。それは叶わなかったアメリカン・ドリームたちの成れの果て。何も専門的なことの身につかない営業セールスマンという仕事はただ空を漂っては夢に生きている。昔気質で思い詰めては独り言などおかしくなっていく老け役のダスティン・ホフマン。1928年はいい年だった!シビアすぎる歩合制オンリーの老兵は、過去の思い出にすがっている。車で1000km走ったりとか20, 30州走り回ったりするのは流石に老体にはキツいし、しかも働き盛りを過ぎた高齢社員は待遇ダウン給与カットの標的とされて、生活は大変。一文無しのまま何も残らない。やっと家のローンは払い終えられそうだけど他にも色々と日々に支払いに追われていて、家のローンを完済しても住む人はいない。虚しい自由。だけど生まれたからには何か残さないと。子供役はジョン・マルコヴィッチ、スティーヴン・ラング。世代間の差や、時代も人も移り変わる。忠実にテレビ映画化したらしい本作は役者たちがすごかった。ビフは俺を愛してる。俺は結婚するよ。


突然あらゆるものが壊れるな
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