TAK44マグナム

デス・キューブのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

デス・キューブ(1997年製作の映画)
2.5
・・・・・え?CUBE??

名前が何となく卑猥なロジャー・コーマン先生が製作したテレビ映画。
元々は「デスゲーム」というタイトルだったのを、いつものコーマン商法で「キューブってのが流行ってるみたいだから」とタイトルを変えて世界中にソフト化権を売りまくったらしいです。
さすがコーマン先生!相変わらず節操がないと言ったところですが、「CUBE」の正式なシリーズ作品だと勘違いした映画ファンが甚大な被害を被ったことで、ニッチな話題を振りまきました(苦笑)。

主演は何故かティモシー・ボトムズ。
なんでこんなのに出ているのかわからない往年の名優ですが、よほどお金に困っていたか、はたまた弱みでも握られていたのか?
演技力には問題ないはずが、後半にいくに従って何かを諦めたかのようにテキトーな大根演技になってゆくのが分かりすぎて哀しいです。
悪役を演じるのはガイ・リッチー監督作「コードネームUNCLE」のオリジナルである「ナポレオン・ソロ」のイリヤ・クリヤキン役で一世を風靡したデビット・マッカラム。
この人もよくこんなの出たな・・・。


2003年のロサンゼルス。
大地震によって崩壊した街を捨て、富裕層は人工島に新たなロスを街を築いていた。
従来のロスは旧市街と呼ばれ、明日をも知れない人々の居住地となっていたのだが、そこへ若者をさらうセンチュリオン部隊が出没、新市街の住人である少女を連れて行ってしまう。
少女の父親の依頼で行方を追う警察官ジャックは、「ドローム」という謎の地下ゲームが関係していることを知る。
ジャックが少女の仲間であった不良チームに接触すると、そこへセンチュリオンたちが現れ、ジャックたちを拉致する。
目覚めたジャックたちは、いつしかドロームの生きた駒とされていた。
迷路のような地下空間で、彼らは生き残ることが出来るのか・・・!?


これを「CUBE」っぽく売ろうってのが既におかしい(苦笑)。
中身は「バトルランナー」タイプのデスゲームもの。
一番テイストが近いのは、ロブ・ゾンビの「31サーティワン」かも。
安っぽい迷路な所も似通ってます。
かろうじて「CUBE」らしさが感じられる箇所は、回転ノコがグルグル回りながら近づいてくる壁に迫られるところぐらいかなあ?

ジャックたちを追うハンターは、片手がブレードになっているロボコップやターミネーターの出来損ないのようなサイボーグ。
こいつが執拗に攻撃してくるわけなんですが、どうしてだか極度のキレイ好き(苦笑)。
ちょっと身体が汚れると、洗うためにイチイチ寝ぐらに帰る潔癖症サイボーグだったりします。
もう一人、闘技場で待ち構えるのが、マッドマックスかロードウォリアーズか?といった具合のトゲトゲ肩当ての世紀末コスプレをしたマッチョマン。
この二体や、所々に設置された酸の池やら動く壁などのトラップをプレイヤーが逃れることが出来るかどうかを、新市街のボンクラ学生たちが賭けの対象にしているというわけです。
生かすも殺すも彼らの意思次第。
サイボーグに捕らわれた女子がとりあえずオッパイをだして命乞いすると(笑)、「彼女は圧倒している!」と意味不明な助け舟をだす学生。
オッパイで圧倒していると言われても・・・(汗)
おそらく折角のオッパイが勿体無いと思ったのでしょう。
基本、エロいバカしか集まらないエリート集団なのです。
こんなんじゃ新市街の行く末が心配になりますなぁ!

安定のコーマンプロデュースなので、とにかく観る側が求める低俗な要素をてんこ盛りにしただけの低予算やっつけ作品ですね。
観終わっても見事なほどに何も残らないし、もし残るとすれば、これ以上ないぐらいにユルユルで腰砕けなクライマックスぐらいかも?
ある意味、あのグダグダ感は必見・・・・・かもしれません(汗)。

兎にも角にも詐欺タイトルに騙されないように、もしレンタル屋で見掛けても元あった棚にそおっと戻すが宜しいでしょう。
世界中の皆さん、「「CUBE」ぽいのが観られるかもしれないぞ〜」といった淡い期待は一切無駄!
騙されないようにお気をつけください。
もしくはわざと騙されて、ダメ映画にツッコむ際の練習台にでもしましょうか。ツッコミ甲斐だけはありますよ。


レンタルDVD、セルDVDにて