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ベル&セバスチャンのvenom9のレビュー・感想・評価

ベル&セバスチャン(2013年製作の映画)
3.4
ワンコ映画に概ねハズレなし。
威風堂々、そしてキュートでもあるベルが美しいアルプスの山岳地帯を駆けるだけで合格です。ベルの犬種はグレートピレニーズだと思いますが、シーン毎に顔つきが明らかに違っているように見え、2〜3頭かそれ以上のワンコが撮影に動員されていたものと想像します。
本作の原作の小説「アルプスの村の犬と少年」とそれを制作されたという「名犬ジョリイ」をよく知らず、アニメ「フランダースの犬」や映画「ハチ公物語」のようなバッドエンドだと嫌だなと思いつつ鑑賞しました。続編に出ているワンコもベルとのことで、安心しました。
ひたすら牧歌的な話かと思いきやナチス・ドイツ軍の連中が出てきて鬱陶しいことこの上ないです。決して豊かではない村人たちをあれこれと煩わせます。実はこの村のある人物がユダヤ人達の逃亡を支援していて、当然ナチス・ドイツ軍は逃亡者を捜索しており、村人に嫌疑がかけられ危機が迫る、という背景です。
ベルはもちろんのこと、セバスチャンも愛らしく、この二人のふれあいはほのぼのします。一方で、ユダヤ人を無事山越えさせようと奮闘するセザール、アンジェリーナ、ベル&セバスチャンを、ナチス・ドイツ軍が追跡するのですが、追跡者たちは雪中用の白い迷彩服を着てノルディックスキーを装着しており、近代的だなと少々感心してしまいました。
ベル&セバスチャンご一行はなんとか危機を脱するのですが、厳冬期における彼らのアルプス越えはちとご都合主義だと感じました。シリアスな戦争映画ではないので、厳し過ぎるかもしれませんが。
(2023年12月 U-NEXTで鑑賞)
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