第2次世界大戦中のナチス占領下のフランスで、家族を救う為に奔走するひとりの少年と犬の絆を描いたドラマ作品。
フランスアルプス山脈の麓の小さな村で暮らす孤児セバスチャンは、山で1匹の大きな野犬と出会う。家畜や人を襲う「野獣」と誤解され、村人達から命を狙われるその犬をベルと名付けて、懸命に守るセバスチャン。
互いに孤独な者同士、心を通わせていくが、時を同じくして村には戦争が影を落とし始めていた。ナチスの捜索の手が伸びる中、ユダヤ人一家を救う為ベルとセバスチャンは、道案内人として危険なアルプス越えに命懸けで挑むのだが…
『その先の希望へ…。』
第2次世界大戦中の暗く影を落とした時代背景とは異なり、マイナスイオンで溢れるアルプスの雄大な自然を元に描かれる背景は、清々しく美しさに圧倒されてしまう。監督は、映画監督でありながら冒険家だそうで、絶景を思う存分楽しませてくれます。
原作は名犬ジョリーの名で、昔放送してたアレです。オープニング曲の「走れ、ジョリー、trrrrrr...」とか聴いたら、これこれ!懐かしい!と思われる方も少なくないはずでしょう。エンディング曲も特徴あるのですが、何より今作で流れている音楽が、この先の不安感を煽りベルとセバスチャンの動向が気になってしまう。
セバスチャン役の子は、撮影同時7歳で幼少時の無邪気さと母を待つ空虚感、厳しい環境下ベルとの交流で見せる毅然とした表情など光っている。
教育上問題になる様なシーンもないので、犬好きのお子さんや家族での観賞でも楽しめる作品なのではないでしょうか。