三樹夫

D坂の殺人事件の三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

D坂の殺人事件(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

D坂に心理実験を加えた作品。原作のD坂はトリック(オチ)そのものにSMが絡んでくるのですが、この映画では殺人とSMは切り離されています。
冒頭から女装した真田広之(しかもED)という、いきなり倒錯してます。この映画では切り離され単体でクローズアップされたSMですが、前半はほぼSM映画ですな。女体縛りをこれでもかと堪能させていただきました。

犯人の殺害動機は偽物ができたのなら本物はこの世に残しておくわけにはいかないという、絶対一般的に支持されないものでしたが、なんとこの映画では小林少年が犯人に共感してます。女装して(演じてる人は女だけど)冒頭の真田広之に通ずるという倒錯円環構造ラスト。犯罪バトンパス的ラストでもあります。原作の明智とのショタコンホモ的子弟関係からは想像もできませんね。いつか自分が偽物で明智が本物と思い明智のことを殺しそうです。

この映画ではなめ、逆光、斜めなどお馴染みの実相寺アングルは多めです。それらの演出は不安感を煽るものなので、この作品と相性が良いです。心地よい不安を楽しめます。
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