よっ!待ってました!の実相寺昭雄まるだし作だった。作家性から言えば江戸川乱歩はドンピシャだったマッチングだ。当然あっても良さそうだがシリーズ化しなかったのはやはり偽悪的な露悪的な変態性があまりにも前面に押し出されてしまったからなんだろうな。
エログロナンセンスや猟奇的耽美的なものへの憧れみたいなものが強すぎちゃって。江戸川乱歩が本質的に持っている変態猟奇をどうしてもデフォルメしてしまう。どうもそれが照れくさくて恥ずかしくて。
裏返すとそれが実相寺作品の醍醐味でもあったりする。ほら変態的でしょ。常人には理解できないでしょ。そんなイキリ方が可愛くなってきたりもするんだ。
あとどうにか絵以上に魅力的なヌードモデルはいなかったのかな。真田広之のホクロもキーアイテムなのだから、もうちょっとちゃんと作ればよかったのに。小林少年はなかなか素敵なキャスティングだったけど。街のペーパーモデルの演出はおしゃれだったし。
あっという間に読めてしまう、まるでシノプシスのような原作読んでから、これに発展させる制作意図みたいなところを味わうのが正しい楽しみ方のような。