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D坂の殺人事件のkanacoのレビュー・感想・評価

D坂の殺人事件(1997年製作の映画)
2.8
江戸川乱歩の小説を真田広之主演にて実写化したサスペンスドラマ。私は読んだことがないので知らなかったですがU-NEXTによれば『D坂の殺人事件』と『心理試験』をもとにしているとのこと。明智小五郎と小林少年も出るよ😎✨

ジャケットを見ていただけると分かる通り、エロティックサスペンスという感じなのですが、個人的にはそれほど感想を抱かなかったのでこの形式でMARK。

物語の舞台は昭和2年、東京。古本屋の女主人・時子は、贋作画家の蕗屋に死去した人気責め絵師・大江春泥の幻の〈緊縛プレイの春画〉の贋作を制作するよう依頼します。蕗屋は苦労をしながらも大江春泥の精巧な贋作を描きあげます。次に時子から依頼されたのは、オリジナルのない作品の贋作。すでに大江春泥の完璧なる模写を会得している蘆屋であれば〈死んだ大江春泥の存在しない未発表の春画〉を描けるはずだというのです。蘆屋は制作を始めモデルを雇うも満足のいく作品が描けず苦悩しますが、自ら女装をして自身を縛り上げた姿を鏡で見、素晴らしい〈責め絵〉を仕上げることに成功します。しかし、大江春泥の作品で責められている女のモデルが、実は時子であったという事実を知り衝動的な行動に…。

といった感じです。事件が起き、明智小五郎が登場します!犯人かつ贋作画家を演じるのが、真田広之さん。犯人が主人公として描かれていく感じです。トリックとか謎解きは無きに等しいです。なので、自分愛がとてつもなく強いナルシストの画家を演じる真田広之さんの、エロティックかつ変態イズムな演技が見所って感じですかね🤔

〈緊縛プレイの春画〉を穴が開くほど見つめて〈緊縛プレイの春画〉を描く真田広之
〈緊縛プレイの春画〉を描くために女に緊縛プレイを仕掛ける真田広之
でも描けないし女に男としてバカにされるしでションボリしちゃう真田広之
とりあえず、真っ赤な紅を唇にひいて女装してみる真田広之
ついでに自分で自分に緊縛プレイしてみる真田広之
自分のその姿がイケ過ぎてて、大興奮して筆が捗ってしょうがない真田広之

…という倒錯系の妖艶な珍しい(?)真田広之がご覧になれます(なんだそれは)

そして部屋の隅っこで体育座りをしてションボリしている系の探偵・明智小五郎(それもなんだ)。私が見たことあるような明智小五郎とはちょっと違う一風変わった名探偵でした(それとも本来はこうなのか🙄?)。

部屋の中で起きる場面は実写ドラマですが、キャラクターが移動する際は紙で作った建物や道で表現する変わった演出もあり。雰囲気は淫靡かつ陰鬱、変態性が随所に差し込まれていてまとまっていたかなと思います。

ただ、うーん。私にこの趣味がないのでちょっと引いちゃうし。蘆屋の犯行動機が〈言葉〉としては理解できるのですが〈心理〉として理解できなくて「はぁ😂❓」となんか笑ってしまったし。明智小五郎の役者さんは有名な方みたいですが、この映画が古いためか分かりませんが、篭り気味な声質なのにボソボソしゃべるので、推理パートの長説明が聞き取りにくくて集中を欠いて仕方なかったしで、あんまり好みの作品ではなかったかも。小林少年のオチもちょっと強引に感じました。

江戸川乱歩がお好きな方や、真田広之の倒錯的で妖艶な姿、また〈緊縛プレイの春画〉に興味がある方には良いかもしれません(?)
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