アベ二ティKazumaAbe

聖獣学園のアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

聖獣学園(1974年製作の映画)
3.7
いわゆる”女囚もの”に近い味わいながら、理由あって修道女になった主人公が宗教上の規律に反発していくストーリー&彼女の復讐譚がいいとこで合致した王道的なバランスの作品。

前評判は全くなしで観たものの、シスター達が鞭打たれるシーンや濡れ場でこれでもかと大写しになる女性の胸、白い肌に撒かれた赤すぎる血などのカットがえげつなく、本来露悪的なポルノに近い意味合いで観られた作品であることは理解できた。ただ修道女同士のレズシーンで女性が指の股を舐めるところ、踏み絵の場面での放尿と吐血などのカットに良い強さがあって侮れない。あと、黒幕というか主人公の仇役が「あの時、主はいらっしゃらなかった~」と長崎での原爆体験を思い出す一幕でちょっと時代性が感じられて良かった。彼自身にも存在感があった。

登場人物らのあからさまな性格や突然のキャラ変更など、ところどころで「?」となりながらも、鑑賞後の後味がそんなに悪くなかったのでこの評価。ゲスくてエロエロな昭和の作品中では光る方の作品。