mitakosama

ミヨリの森のmitakosamaのレビュー・感想・評価

ミヨリの森(2007年製作の映画)
2.6
フジテレビのテレビスペシャルとして作られたアニメとのこと。原作の漫画があるらしいが、TVシリーズものじゃ無く完全な新規のアニメーションとして作った意義は感じるね。
企画は素晴らしいと思うし予算もそれなりに掛けたようだが、作品としては正直小粒な印象だったな。

両親共に毒親で田舎の祖父母に預けられたミヨリ。心を閉ざしたひねくれ者だった、村人と森の精霊とのふれ合いで素直さを取り戻し、ダム建設のために違法な狩猟をする集団を追い返す。

フジテレビがジブリ的なコンテンツを欲して作ったのは否定しないが、制作が日アニで、しかも監督がジブリで美術監督をやっていた山本二三。
う〜ん。いくら美術監督でも演出家の仕事はまた別だからなぁ。(確かに神山健治みたいに美術から演出に転向した成功例もあるから一概には言えないんだけども)

正直アニメーションも出来が半端だ。

気になるのは毒親との関係だ。中盤に出て行った母親が迎えに来るが田舎を毛嫌いした嫌な女のままだ。ミヨリは父と一緒なら東京に帰ると言うが、ミヨリと両親の関係は最後まで完結しないままミヨリは森と生きることを決意して終わる。
親との確執がちゃんと語られないまま終わるのはやっぱり不透明な感じするのよね。

フジテレビ主導なので声優陣にアナウンサーを大勢起用している。何なんだろうね?あのフジテレビの体質って。自社のアナウンサーのタレント力に対する絶対的な自信。作品に対して自社のブランドをねじ込んでマーキングしたがる下品さ。
アニメをでも実写映画でも作るなら制作体制をもっと勉強して吟味することの方が大事なんじゃ無いかと思われるが。
mitakosama

mitakosama