プリズマティカリゼーション

きっと、星のせいじゃない。のプリズマティカリゼーションのレビュー・感想・評価

1.5
僕は体に異常があるとすぐに大変な病気なんじゃないかと不安になってしまうタイプで、スネの骨にたんこぶみたいな膨らみが出来た時は骨肉腫なのではと物凄い不安になり病院に行って宣告されるのも怖くて丸1日入院生活から治療そして死ぬことまで考えを巡らせ決死の覚悟で病院に行った事があります。腫瘍は良性でした

何が言いたいかと言うと僕はガンを全く他人事として見れません
自分も一歩間違えれば、何も間違えなくてもそうなるという不安をすぐ隣に抱えています

この映画では後半彼氏の病状が悪化して、助かる見込みがなくなってしまいます
それから二人は会うことも少なくなり、たまに調子の良い日に会えたとしても病気の苦しみと死への恐怖から精神も不安定になってしまいます
二人が最後に会った日も彼は錯乱してしまい、喧嘩別れのようになってそのまま二度と会うことは出来なくなってしいました

しかしヒロインに彼が死ぬ前に書き残した手紙が届き、そこには僕は死ぬけど永遠に君を愛してるよとかそんなことが書いてあり何やら感動ムードで映画はエンドロールに入ります
しかし彼の心は非常に不安定でした。落ち着いたときもあれば、絶望から気が狂いそうになることもあったでしょう
躁鬱のように、たまたま明るい思考になったときにこの手紙を書いただけで、死ぬ直前はまた死の恐怖に怯えていたのではないか、そう考えるとこの手紙を素直に読み取ることはできません

僕はこの映画を見て、恋愛の素晴らしさも、生きる喜びも感じることはできませんでした。
何一つ答えは出ないままただただ逃げられない死に怯える少年を見て、いたずらに不安を掻き立てられるだけです。

まぁ要するに、僕はガンじゃ泣けません