くわまんG

呪いの深海獣のくわまんGのレビュー・感想・評価

呪いの深海獣(1966年製作の映画)
3.5
あらすじ:宇宙人が攻撃してきたら全力で殺害なのだ!対話とかはその後考えたらいいのだ!

謎の深海生物を調査すべく海底研究所に赴いたらバディを組むのは因縁浅からぬ男だった!…というお話。

ぶつかって仲直り、生まれ変わった漢のけじめ、科学者の迷惑な生き物愛等々、ドラマのみどころは十分。山場が二度訪れる展開も割といい感じ。

特に目立ったキャラは、罪悪感から逃れるために自分の記憶を改竄したエリート潜水士、マードック。女たらし隊長も、ビッチ風ダイバーも、彼とのやりとりで感情移入できる人物になっていくので、キープレイヤーです。『マクロスプラス』のガルドが似た役回りでしたね。参考にしたに違いありません。

オチは、「遭遇した宇宙人が攻撃してきた場合に人類がとるべき行動」に言及。深いテーマですが、すんごい脳筋暴論(あらすじ参照)で締めます。ただ、あの流れだとベストアンサーのような気も…?ここら辺も、本作品の味わい深いところ(?笑)。

主役である深海獣、出で立ちはおこぜ顔のこいのぼりといった具合ですが、目的はテラフォーミングです。ちゃんとSFしてますね。宇宙船には地球製のブザーがついてましたけどね。

目玉である水中撮影(浅瀬のダイビング動画)には、それなりに人件費かかってる印象。これが予算を圧迫したのか、深海獣の脇腹から気泡が。肺呼吸なのかもしれません。

クライマックスは、一致団結した隊員達VS深海獣の水中バトル。しかし観客の目に映るのは、溺れた魚人が救助されて水揚げされる様子。心眼の鍛練にうってつけです。

とまぁツッコみだすとキリがないですが、先に述べたように侮れないZ級佳作。ビッチがマードックに告白するシーンなんかは、なかなか迫真でしたね。