しばいぬたろう

美女と野獣のしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

美女と野獣(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『美女と野獣』('14)
La belle et la bete / フランス、ドイツ / フランス語

大人向けな「美女と野獣」。
主人公の年齢も高く、野獣が既婚者だったという点で"大人向け"という表現になるわけだが、裸の女性が登場する点でも"大人向け"という表現が正しい。
しかし、レア・セドゥとヴァンサン・カセル主演映画の割には控えめな表現で、過激な脱ぎもないこともあり、13歳以上の鑑賞なら問題ないかと思います。

フランス映画らしい淡々とした物語展開とCGを駆使した映像美が印象的。
世間一般的にはディズニーのアニメ映画「美女と野獣」のイメージが定着してしまっているため、主演二人にフランスを代表する国際派な大御所俳優を据えて、原作とも違った描き方をして新たな「美女と野獣」を生み出したことが印象的だ。
主人公視点は多いのだが、野獣にスポットを当てた作品となっている。

また、見どころシーンも所々に取り入れており、淡々としたラブファンタジーの中にも展開に緩急をつけていて、飽きずに鑑賞することができる。
自分は最後の方の石化巨人の襲撃や城崩壊シーンがおススメだ。

美男美女ばかり登場するため目の保養になるのだが、主人公の兄弟が禄でもないキャラ設定のため、イライラが先行してしまう。
ディズニー映画も含め、「美女と野獣」では主人公が我儘だったり高慢的な表現があるのだが、本作の主人公は控えめ描写しかない。
しかし控えめ過ぎて、野獣に恋した過程が自分にはよくわからなかった。

ラブな展開よりもダークファンタジー的な映像美が楽しめる作品。
CGが多すぎて作り物に溢れた映像になってしまっているのだが、美しかったので文句なし。
中世ヨーロッパ的な衣装や美術、造形も自分は好みでした。

原作忠実系や、陰のあるラブファンタジーを楽しみたい方は、楽しめる作品に仕上がっていると思います。
オリジナリティがあって、自分は嫌いではありませんでした。
しばいぬたろう

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