さいとう

美女と野獣のさいとうのネタバレレビュー・内容・結末

美女と野獣(2014年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

フランス人がコンピューターグラフィックを使うとこんなにロマンティックになりますな映画。

●フランス版美女と野獣では、醜くいはずの野獣ですら麗しい。
こんなん好きになるでしょ。
犬好きから見ると、犬の口元の黒くてツヤツヤした部分と野獣メイクの黒い口元がそっくりでもう可愛くってしょうがない。
そしてやっぱり魔法が解ける時の残念感。ディズニーでもそうだけど、魔法解けなくていいよ、野獣のままの方がかっこいいよ本当に。
過ちのために自分だけは生きながらえながら、愛した女性を亡くし、友人たちは石像となり、朽ちていく城でただ一人(自業自得)なんてことになったら誰でもいいから監禁したくなるよね!この人本当にお爺さんだけ帰ってきたらどうするつもりだったんだ……話相手にでもするつもりだったのか……。

●フランス淑女(少女だけど)は叫ばない。
アメリカさん映画だと十中八九「っキャー!」と叫ぶ場面でも「キャッ……」「ハッ……」に留めるこのしとやかさ。そしてそれに反するようにこまっしゃくれた口の聞き方で野獣を挑発するように話したり、ドレスのまま気に登っちゃう気の強さや幼さ…お転婆さん………可愛い……。
きっと野獣は昼間のこういうところちらちら見ながら好きになったんじゃないかな。あと……ほら美人だし……おっぱい、大きいし……うん。
そして、野獣の過去を知りながらそれを受け入れて愛することを誓う純粋さ。
レア・セドゥもうすぐ30歳だぜ?どういうことだよこの少女性。

●監督サイレントヒル撮ってた人だったんですね……。
何よりもこれがびっくりした。
巨像達が追いかけて次々に馬鹿どもをひねり潰すところは、ああ、なるほどと思うかも。
終盤で巨像が崩れ落ちていくところは幻想的で好きだなあ。ちょっと、ああ、友達の魔法は解けないんだって可愛そうになったけど。
ディズニーでは感じられない超自然の神秘的な雰囲気は新しかったかも。
ディズニーは魔法使ってなんぼだけれども、神秘の力を森の神が娘を亡くした怒りや、死してなお王子を案ずる婚約者の愛に繋げていて説得性があった。

正直、過去に婚約に至るまで愛した女性がいながらベルに愛してくれと迫り続ける野獣や、晩餐での会話くらいしか野獣との直接的なやりとりはなくて過去をのぞき見て、野獣が死んでしまうと告げられただけで生涯傍にいると誓った経緯には疑問だけれど、
縋るように「愛しているか?いつか僕を愛してくれるか?」と解い続ける野獣には人間誰しもが持つ愛されることへ痛いほどのの渇望が感じられて切なくなった。てかあんなかっこいい野獣にプレゼント攻撃されて愛してくれって言われて落ない女いるのか。

ご都合主義だし、終盤まで盛り上がりに少し欠けるかもしれないけれども、おとぎ話ですから、勧善懲悪のハッピーエンドもいいんじゃないでしょうか、たまには。ただ、キスシーンのエロさにかける熱量を他に向けても良かったんじゃないか(笑)

弓矢(ボーガンだったけど)が主な武器の時代の人が銃がそこらのチンピラも使えるようになった時代の娘っ子と結婚できたのが凄いなと思う。ジェネレーションギャップ半端なさそう。待った甲斐あったね、野獣。末永くお幸せに。
さいとう

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