高橋早苗

美女と野獣の高橋早苗のネタバレレビュー・内容・結末

美女と野獣(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

裕福な商人の一家は
借金により破産 田舎にひきこもる

失意の父が 吹雪の森で見つけた古城には
豊富な食べものと財宝が
空腹と借金以外 何一つ持たない彼は
主の見えない城に いぶかしみながらも
子ども達が望んだ 宝石やドレスを持ち帰ろうとする

帰り道 美しく咲く赤い薔薇を見つける
それは唯一 娘ベルが望んだもの


…その薔薇を手折った時
怒りに狂う野獣が現れ 父の命を要求
1日の猶予を与えた
ベルは 愛する父の身代わりに
ひとり古城へ向かう


命を差し出すつもりのベル
だけど 現れた野獣の要求は
「夜7時に 同じ食卓につくこと」だけ

野獣は、何者?
どうして、そんな姿なの?


ベルは裕福な家で育ったものの
「私が生まれて 母は死んだ」と
生まれて来たことに 罪悪感を持っている

囚われの身となり 毎夜
自分のものともつかない 過去の夢を見る

それは 野獣が想い続けている
王女の夢
ベルは 合わせ鏡を見るかのようにかつて栄華を誇った この城の過去を知っていく
そして野獣が 野獣になった訳を知る


ベルが望んだのは 愛
だけど 愛がどんなものかも よくわからない

野獣がかつて求め 手にし
失ったのも愛
「いつの日か 愛してくれるか」
とベルに問う野獣は
愛されることだけを覚え
愛することが できずにいる

本当は 心から愛したい
失ったものの罪悪感を抱え
純粋に 愛する対象を求めてる

薔薇は 二人が望むもの
その象徴


☆☆★

 昔々、あるところに・・・
誰でも 一度は聞いたことがあるお話の始まり
その終わりは

 そして 皆幸せに暮らしましたとさ

そう ハッピーエンド。
だけど、カッコイイ王子様ゲット愛されて嬉しい~♡…ってハッピーエンドじゃないのよ!

お互いに
絶望から始まって
与えることを覚えていくお話

だから 最後は
「幸せに暮らしました」なのよ。
…とさ。

で、この映画がスゴいのは
二人の子どもに お話を読み聞かせて
話が進んでいく
ハッピーエンドまで

読み聞かせていたのは ベル自身
・・・ということが 最後にわかる


世の パパママたち
じぶん達の物語を
子ども達に聞かせられる?

これが成功物語でなくて
なんなの?ってこと。


“あなたは 私の愛を知っている”
エンドロールに流れる
「Sauras-tu m'aimer」がイイ♪
(英語版じゃ正直、魅力半減かと^_^)


ディズニー作品で広く知られた物語を
遠い世界のお伽話ではなく
現代の、私たち目線まで
視点を引き下げてくれた 野心作に拍手。
高橋早苗

高橋早苗