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大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院のan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

騒々しく煩悶とした日常の中。
我々は自身の声さえ聞こえなくなり、
やがて静けさを忘却してしまう。

大いなる沈黙への旅路を辿る…そんな作品。


静謐の中で聴こえるのは、自らの言葉だけだ。


とある人物は、こう語った。


自らの最大の敵は自分自身である、と。


とある書物には、こう書かれている…


『汝の敵を愛せよ』


あなたの内なる問い掛けに…


あなたは何と答えるだろうか。



今の時代だからこそ、観る価値があるかと…
有意義な時間を過ごさせていただきました。

観る人によっては至極退屈な作品にもなるけど…
『考えてしまう人』には、どこか禅問答じみた体験を与えてくれる作品にもなると思います。

いや、色々と考えている時点で…私って人間は、いつも煩悶を繰り返して生きているんだなと自覚させられたりもして(苦笑)

私はこれまでのレビューで何度も無神論者だと言ってきましたが…

そもそも、私にとって『神』とは…?

他の言葉に言い換えて表現しようと考えてみると…それは私の中では『希望』であったり『欲望』なんて言葉になりました。

ポジティブ、ネガティブ…どちらの側面でもある『望み』『期待』などの概念の、アイコニックな偶像…ってところでしょうかね。


「神よ、お救いください」
「憐れみをお与えください」


聖歌の歌詞にもある言葉だけど…やっぱりそれって、ひどく俗世的なものだな、と。

メシアが罪を肩代わりしてくれたから…
自分たちは楽に生きたいんだー!ってね。
そこが現代人の在り方と重なってる(笑)

神を讃え、感謝を献げる歌詞のものもあって…それを読んでみると、この歌詞を書いた人は他より『敬虔』なのだろうなと類推してみたり(爆)


修道院での慎ましく清貧な日々。

感覚的に書き出すとしたら…

彼らの人生は、揺らがない自分を築き上げていく…そういう行為なんだと思う。


私の認識は正しくはないだろうけど…
仏教の『悟り』だったりも同質のもの。

イメージで言うと…『自然とひとつになる』とか、そんな感じなんですが。意味不明?(笑)

私が無神論者だ、宗教に興味ないと言うのは…
『現状の形に価値を感じないから』なんだな。

そもそも宗教の始まりって、誰かが至った『純粋な思想』があって、それを他人に『伝達』しようとしたら…伝言ゲームみたいに『余計なもの』がどんどんと足されてしまって原型を留めなくなった…だから同じことを言ってるはずなのに、様々な『宗教』だとか『宗派』なんてものが形成されてしまったってだけ。

私が興味あるのは、根源だけ…そういう事かも。

でも、こうやってレビューに書き出して、他者に伝えようとしてる時点で、少なくとも『理解』を求めようという『欲』があるな…私は凡人だなとかってグルグルと考えが巡り続けてもいて、ニーチェだとかニヒリズムだとかもコンニチワしてきちゃいそうになるので以下略にしときます(笑)

たぶん画面の向こうの彼らも、それを観ていた私も…自分と向き合う時間を過ごしてたんだね。

彼らの方が、本腰入れて対峙してるけど(爆)

そして最後にまた、私の暴論とか妄言の類の何かを投入して終わるのだとしたら…やっぱり、全ての道は、同じ場所に向かってるんだと思う。


地球は丸いもんね!(爆)


結論…


自分が『どの道』を選ぶかってこと!


大いなるバカ騒ぎをしている現代。

黙するとは何か…
その目でご覧になってみては?(笑)
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