この作品についてあれこれ言葉を並べるのは野暮の骨頂ですが、感想は残しておきたいので少し書きます。
まるで中世がそのまま生き残っているかのような、とても浮世離れのした、静謐な修道院のドキュメンタリーでした。
見ながらはじめて、修道院と刑務所は人間の表と裏のように通じるものがあるのではないかと思いました。すべてが正反対なのに、形は似ている。
善と悪とはなんなのか。
それと、言葉の重みですね。生活の音や生き物の声、さらさら落ちる雪や風などの自然音の中に、突如として現れる聖書の一節が神秘的な力でもって迫ります。他にはほとんど言葉がないからこそ、まるで焼き印のように心に残りました。
瞑想のようなドキュメンタリーでした。