マリア

大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院のマリアのレビュー・感想・評価

4.3
公開当時に映画館で鑑賞。
自身もキリスト教カトリック信者のため、大いに感銘を受けた。

本来観想修道会には禁域といって、一般人は立ち入り不可の場所が殆ど。
その中でこうして潜入し、内部の暮らしをリアルに見る事は出来る本作は、非常に価値ある作品だと言える。
また、カトリックについて深く理解がなければ、この作品も理解することは非常に困難であり、ただの長い映画、という感想にしかならない。そのためキリスト教徒が多い海外の方ではウケがよくとも、日本でこれが理解される事は少ないだろう。
何故沈黙を重要視しているのか、観想とは何か、一生を捧げる意味とは、見えないものを信じるとは何か。
これらを理解した上で鑑賞する事を勧める。

YouTubeで宣伝動画を何度も観ながら公開日を楽しみにしていた。宣伝動画を観て制作にかける大きな熱意に、鑑賞前から感動していた。
映画.comさんより引用→
グランド・シャルトルーズの内部を、初めて詳細にとらえたドキュメンタリー。ドイツ人監督フィリップ・グレーニングが1984年に撮影を申請、それから16年の歳月を経て許可がおり、音楽・ナレーション・照明なしという条件のもと、監督ひとりだけが中に入ることを許された。監督はカメラを手に6カ月間を修道院で過ごし、俗世間から隔絶された孤独な世界で決められた生活を送りつづける修道士たちの姿を、四季の移ろいとともに映しだしていく。2006年サンダンス映画祭で審査員特別賞を受賞した。(https://eiga.com/amp/movie/79766/)

高い山に古くからあるフランスの男子修道院。
伝統を守りながら修道士達は沈黙の中で、祈りの生活をしている。
音楽もなく話し声もない自然音のみの中、修道院から見える四季の移ろいの風景に心地よさと感動を感じる。
1番好きな場面は、真夜中の祈りの時間。
お御堂全てが暗くなり聖体ランプの赤色だけが小さく映り、グレゴリオ聖歌が始まると、自分もこの神聖な祈りに参加しているような錯覚が起きて感動した。
マリア

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