ニトー

ラスト・ワールドのニトーのレビュー・感想・評価

ラスト・ワールド(2013年製作の映画)
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一言でいえば盛大な逆張り映画。

思考実験としては楽しいけど映画としては・・・思考実験という設定じゃなくて、それこそループにすればまだ観れたのではないかと。2013年だし。ありふれてはいるけれど。

んでもって倫理的にどうよ、という場面が多い。特に無理やりゲイをアウティングさせてる(それを同じゲイが強要させているというのがまた酷い)シーンとか、あの子が自分のセクシャリティについてどう考えていたのかを明示しないことで都合よく使ったんだろうけど。

合理的・論理的な思考()に対するカウンターというか異議申し立てとしてあの展開にしたのだろうけれど、あまりにオプティミズムが強すぎるし、まあ最初からそうなんですけど言ったもん勝ちすぎて。

あれが偽善的に見えてしまうのは日本人的に精神論や根性論への反発があるからなのかもしれないけれど。アメリカはむしろ合理性()によって突き進んで弱者を排他するからこそ勘定的価値ではなく感情的価値による成功パターンを見出したかったのかしら。

しかし、あの選択はある種哲学への問いかけでもあって、最初に生徒が言っていたように哲学とは自慰行為なのだろうか、であればあの思考実験の空間に哲学者がいた場合、果たして選ばれるだろうか?ということがあるわけですが、まあそこまでは行かず。

詩人は即そぉい!の天丼は面白かったです。
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