言葉に表せない
ぬるっとしたざわっとした感情が心に残る。
他の方のコメントにもあったが、これは
臨死体験である。
序盤、お風呂に船を浮かばせようとして、弟が溺れてしまう。
そこから夢か現実かわからぬ世界が現出し始める。
(初見だとわかりづらいが、もう既にここで弟は息絶えているのだろう)
次のシーンの
お姉ちゃんが熱を出し、白昼夢を見るシーンでも同様にお姉ちゃんもここで息絶えている。
そして同時期に死出の道を歩いていると弟はお姉ちゃんが何者かに連れていかれそうになっているのを見つける。
それはあの世に連れていかれそうになっているお姉ちゃんだった。
その魂の半分を抜き取るところから物語は始まる。
道端でもよおしている女性
人の生死を自在に操る神。
水のモチーフが多量に登場するのは、弟が溺れ死んだからだろうか?
弟が夢見たこと、経験したこと、経験したかったことが次々と登場し、最後は家族がいる家(日常)に帰ってくる。
しかし、それは弟の意識が見ていた走馬灯のようなもので、肉体の消滅ともに意識も消滅。
意識が消滅する演出がテレビを消す演出でされているのに鳥肌がたった。
ここで、弟が死んでいたということが始めて分かった。
オルゴールが何度も何度も巻き戻るエンドロールは死後の世界?
なのだろうか。。
「夢」を描いた今敏
「臨死」を描いた湯浅政明
これら二作品は紛れもなく歴史に残らない名作といえよう。