ずけし67

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪いのずけし67のレビュー・感想・評価

3.7
次作の劇場版に繋がる序章の位置づけとなる本作、今回はあの四谷怪談のお岩さんネタです。

さて、今回投稿されてきたのはある映画のワンシーンに顔が腫れたお岩さんのような女性の姿が映り込んでいるというものだった。投稿者である映画監督の話によるとその映画は「四谷怪談」を扱ったものだったが、撮影前のお祓いをしなかったことが原因で災厄が降りかかっているのではないかとのことで、実際、その後主演女優が音信不通となっているらしく、工藤Dと市川ADは真相を確かめるべくその女優の家へと向かうのだが。。

まず本作を観た率直な感想から言うと、前回のトイレの花子さんもそうでしたが、今回のお岩さんもその存在に迫っていくと結局辿り着くのは異世界との境界線もしくは出入り口だったのだ!という結末で、都市伝説や怪談のキャラの正体や真相の究明を期待するとちょっと肩透かしを食らうというか、白石監督がシリーズを通じて描こうとしているのも異世界の存在とかそういった方向性なのかなあなんて思えてきましたね。
結局、トイレの花子さんやお岩さんというキャラはその導きとなるネタとして使っているだけではないかと。

そう考えると少しトーンダウンしてしまうのですが、場面場面では見所というか笑えるポイントはいろいろあって、今回はやはりお岩さん?悪霊?に取り憑かれてしまった市川ADの熱量溢れる怪演とそれを救うための浄霊シーンのハチャメチャっぷり、浄霊師の「静かに!動くな!」という指示をガン無視して暴走しまくる工藤D、もう絶対邪魔にしかなってないし、終いには浄霊師のことなんて呼び捨てにするわで笑いが止まりませんでした。

あとコワすぎファイル1(口裂け女編)で登場した呪術師の犬井里子が命を落とし、その間際に工藤D宛に送ったという呪術の品があろうことか普通にダンボールの宅急便で届くころとも地味にツボでした。

そして今回も登場する異世界のはざまでの攻防ですが、前回より若干CGのレベルが向上したせいで逆に笑いからは遠のいてしまったのには複雑な気持ちになりましたが、でも工藤Dが市川ADを救おうと繰り出した『リングにかけろ!』の " カイザーナックル " ばりの " 呪いの飾りナックル " で戦う姿には仲間を思う気持ちや絆も感じつつ、でもやっぱりそのご都合主義や安直さには笑ってしまうというね。

ということで、四谷怪談を書いた鶴屋南北が実は呪術師で、その生まれ育ったとされるタタリ村の存在に迫ることとなる次作の劇場版(どんだけ勝手な妄想の作り話をぶち込むつもりなんですかw)、果たしてどんな展開になるのか?今から楽しみです。
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