極道から足を洗うことになった女博徒（谷ナオミ）が、敵対組織により恋人を殺害されてしまう。極道の世界から脱出不能に陥っている女性の生き様を描いている、日活ロマンポルノ。谷ナオミの実質的な引退作品。
女郎屋を牛耳っているヤクザの極悪非道なおこないを刻々と描写することにより、主人公の女性解放運動にカタルシスをもたらせている。日活ロマンポルノというよりも、東映の緋牡丹博徒とピンキーバイオレンスを掛け合わせたような印象が強い。
前半部は、ヤクザ映画の定石に則した抗争劇が繰り広げられる。後半部に入り、女性陣への折檻が始まると、ようやく女体を長尺で拝めるようになるが、予想外のことはあまり起こらない。あくまでも、歌舞伎の見得としての凌辱行為を楽しむ方向性。
端役では、高木均（ムーミンパパとトトロの声優！）の悪人演技が、異様な輝きを放っている。ゲス笑いが板についている役者ほど、見ていて楽しいものはない。一方、谷ナオミのギクシャクした殺陣にも萌え要素が備わっており、何だかホンワカしてくる。
