まりりんクイン

劇場版 零 ゼロのまりりんクインのレビュー・感想・評価

劇場版 零 ゼロ(2014年製作の映画)
4.0
どうせゲームの映画化とか糞しょーもねえんでしょ?と思って鑑賞ましたが…

これは完全舐めてた!!いい!!
場面によっては永久に観てたいくらい良かったです!!
完全に原作ゲームファンに向けた企画なのに、全く原作関係ないので、そりゃ評価低いのも分かりますが、捨てたもんじゃないよ!!

全寮制のカトリック女学園が舞台になっているのですが、これが、
「1999年の夏休み」や「エコール」に通じる、
まだ何者でもない少女達だけの、未成熟で閉鎖された世界観を下敷きにしていて、
そこに、近頃のお化け屋敷的な驚かせるだけの糞しょうもない恐怖演出ではない、抑制の効いた、しかしジワりと恐ろしいJホラー表現を加えることで、
『美し過ぎてゾッとする』という、この映画ならではのバランスになってます。

まず主演の中条あやみさん、森川葵さんの二人が素晴らしいです!
というかこの二人でなかったなら、この映画は成立しないんじゃないでしょうか?
劇中、あやという絶世の美少女やくの中条さんですが、
「私たちはみんな、あやに恋をしていた」
というモノローグからの初登場シーン、オフィーリアの歌を歌い出す場面の圧倒的説得力!!こいつ只者じゃねえ感が凄まじいです笑
若い頃の栗山千明様を彷彿とさせる、実にホラー映えする美人です。

そしてこの中条さんの超現実的な美しさが、物語上も恐怖演出上も重要なポイントになっているのが本当に素晴らしいと思います。
森川さんの役は明らかに「1999年」における深津絵里さんを意識したのではと思わせます。劇中一人将来の夢が定まってない→最も何者でもない存在として出てきます。


あやの初登場シーン
教会での集団昏倒
教室での耳打ち
廊下での気絶
などの幾つかのシーンは、本当に後何回でも観たいくらい惚れ惚れしました。

・「1999」などと違い、学園以外の外の世界が普通に開かれてる→禁断の園感が中途半端。
・学園外のサブキャラが余計。
・黒鷺死体宅急便とのクロスオーバーがホントに余計。
など、まあ残念な場所も沢山あるし、お話自体も微妙ですが、役者や場面場面の素晴らしさで持って行かれました。最近大きな劇場でかかってるようなベロベロバーホラー映画には無い、独特の魅力があったと思います!!




とまあ長々と書いてきましたが、要約すると、

百合サイコーーー!!!!!!
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