頼りない妻と幼い息子が気がかりで成仏できない夫が、周囲の人に憑依し見守りながら、自身の両親や夫婦の在り方を振り返っていく物語。
子と親と夫婦の話がぐるぐると循環して、それぞれの葛藤とか失敗や後悔が詳らかになる。親だって、誰かの伴侶であり、子である。親子でも他人でも、人との関係全部を最初からずっと上手くやっていくのは難しい。失敗して、修復して、そして……の毎日が人生なんだなと思った。
とくに石橋凌さんの演技が心に残っている。口下手な設定で台詞が少なかった様に思うが、目線や仕草の端々に子に向けた愛情を感じて泣かされてしまった。
若い夫婦である優太郎とサヤの頼りなさを一歩ひいたところから見守って居たのだろうな。