わさび

ジミー、野を駆ける伝説のわさびのレビュー・感想・評価

ジミー、野を駆ける伝説(2014年製作の映画)
4.0
凄惨を極めた内戦から10年。平和が訪れたかに見えたアイルランドで、市民が自由に集い、学び、楽しむ場所として地元に集会所を設けた実在の活動家、ジミー・グラルトンが、市民を扇動する危険因子と見做されて政府や教会から弾圧され、追放された歴史を描いた作品。

また一つ、アイルランドの興味深い歴史を知る事が出来た。
然し、否、これはアイルランドだけの歴史か?
言論の自由・集会の自由・表現の自由を求めて闘った人々は、どの国にも大勢いる。そして今でもなお、その闘いはそちこちで続いている。
私達人間には、自由に生きる権利も人生を謳歌する権利もあるし、それが搾取されたり迫害されたりした時には、断固抵抗する権利もある筈だ。
本作はその自由や権利を素直に訴えた映画であり、舞台となった時代は7~80年も前である。が、これは決して過去の物語ではない。他所の国で起きた対岸の火事でもない。
何故なら2010年代の日本に生きる私の心に、この物語が問いかける疑問が、けたたましく鳴らす警鐘が、こんなにも強く響くのだから。
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