めかぽしや

ラブ&マーシー 終わらないメロディーのめかぽしやのレビュー・感想・評価

3.9
私は今までブライアン・ウィルソンはちょっと変わった人という印象しかなかったけど、こんなに才能があって、苦しんだ人生を送った人だという事を初めて知った。

リアルタイムは『カクテル』のココモだけど、これはカヴァー曲だしブライアンは参加していない。
そう、ブライアンがちょうど苦しんでいた時代だった。


劇中、60年代のブライアンと80年代のブライアンが交互に写し出される。
60年代のブライアンはポール・ダノが演じ、80年代はジョン・キューザックが演じている。
ポール・ダノは当時のブライアンそっくりだし、見事な歌も披露してくれる。
ジョン・キューザックはあまり似てないけど、流石役者なだけあって口元や仕草が的を得ていた。

幼い頃から父親の強い支配の元で育ってきたブライアン。
劇中で自分の父親を憎いけど好きという思いが80年代に入っての精神科医のユージーンとの関係を生んでしまったのか。
美しく聡明な女性、メリンダの登場でブライアンとユージーンとの関係に変化が生じる。


本作を見る事でブライアンは当時のプロ中のプロのスタジオミュージシャンに認められる才能溢れた人だという事と、それと背中合わせに脆い心の持ち主という事が良く分かる。

満を持して発表したPet Soundsの
その製作過程は見応えがある。

アムバムPet Soundsの1曲目Wouldn't It Be Niceは 本作で欠かせない曲だ。
Gad Only Knowsは『ラブ アクチャリー』の最後にも使われている印象的な曲。

私の中で今まで甘すぎてあまり好きではなかったビーチボーイズの曲の見方が変わったし、映画によって曲に対する興味を引き出してもらえた。

暑い日差しに、海辺に、ビーチボーイズサウンドがとても良く合う季節は鑑賞するにふさわしいと思う。
めかぽしや

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