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フューリーのKBのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
4.0
純朴な青年が変貌する恐怖と、男たちの絆が熱い戦争映画。戦闘シーンなどの映像もセットもリアルだし、ブラピもカッコいい。けど、本当にあった話?なのか疑わしいっていうのは少し思ってしまった。2時間でドラマもアクションもちゃんと詰め込まれてて見応えはあります。2回見た。

☆1945年4月、アメリカ軍は、世界最強とも言われるドイツ戦車・タイガーに苦戦を強いられていた。新米兵士・ノーマンは戦車チームに配属され、ウォーダディ率いるフューリー号の乗員となる。数々の戦闘を経て兵士たちの絆は深まっていくが、やがて数百人のドイツ兵を相手に絶望的な作戦に身を投じていく。

すごいなと思うのは、新米兵士ノーマンがウォーダディに出会い、数々の戦闘を通じて目の色が変わっていくとこ。
最初は人なんか殺せない、なぜ殺すんだ!と反抗していた青年が、やがて人殺しが楽しい、くたばれナチ!と言って機関銃を撃ちまくる。
沢山の人間が犠牲になっていくという戦場のリアルを体験して、ノーマンの顔は哀しみと同時に、なにか意志、闘志に満ちた表情に変化していく。
それを見ながら、ノーマンは連合軍としてナチスドイツと戦ってるんだけど、それよりも罪もない人々を殺しまくるこの"戦争"と戦っているんじゃないかというのを感じました。

ネタバレになっちゃいますが、最後にノーマンがナチスSSの兵士に見られるシーン。あのナチス兵はすごい若くて、人を殺せなかった当初のノーマンと重なるとこがありました。人を殺すっていうのは誰もやりたいことじゃないし、それを平気にしてしまう戦場に足を踏み入れた途端、人間を変えてしまうんだ、という恐怖さえ抱いてしまいます。

もちろん、ブラピ演じるウォーダディの破天荒さ、それについていく兵士たちの固い絆はこの映画の魅力だと思う。タイトルにもある戦車の愛称、フューリー号っていうのは、いわば彼らの家みたいなもの。部活動の部室っていうとなんか軽くなっちゃうけど、あの中に仲間たちの記憶が色々入ってる、そんな存在。
彼らが最後まであそこに残ったのは、任務だから逃げるわけにいかないっていうのもあるけど、ウォーダディへの厚い信頼と戦車への愛着、強い使命感のあらわれでもあるかなと。

ただ、戦争映画にありがちな、彼らが連合軍を救った英雄!みたいなのが強く出すぎちゃってて、なんか本当か嘘かよく分からなくなってる感じも否めない。戦争映画という娯楽である以上、それは仕方ないのかなぁ。

とにもかくにも、兵士のブラピは見たことなかったので、めちゃかっこよかったです!基地やドイツの街も、戦時中のボロボロな雰囲気があって、セットもうまく作られているなぁと驚きでした。
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