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フューリーのdaruma38のレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
4.0
先日、BSで視聴。
まず、シャーマン5台とティーガの戦闘シーンは迫力があり圧巻。無機質な鉄の塊に守られているようで、一瞬で吹き飛ばされる人間のはかなさが表現されている。全体を通して、銃弾や砲弾が光線銃のように見えるのが違和感あり。

平時では1人殺しても犯罪人である。しかし、チャップリンの独裁者のように、戦争での大量殺人は英雄と呼ばれる。新兵が戦車から救助された時、お前は英雄だと言われるが、魂が抜けたように感情がない。ナチスは絶対的悪と自分に暗示をかけ、激しい戦闘を生き抜いてきたが、一青年の成長物語ではない。勝者も敗者も何も得ることはないのだから。

そもそも、職業軍人でないのに、それも国外で連合軍として、命をかけて敵の進軍を阻止する使命感が、現代の私には理解できない。

戦時でなければ召集されず、ありふれた普通の生活をおくっていただろうに、この手のヒーローがいない戦争映画を見ると、つくづく生まれた時代や国に、その人の人生は左右されると思う。日本が今後も戦闘に参戦しないとは言えない。政府に洗脳され、子孫がそうならないことを祈るのみである。(拝)
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