矢吹

鬼の詩の矢吹のレビュー・感想・評価

鬼の詩(1975年製作の映画)
4.5
芸人は、人になり、人を真似て、巫女になり、鬼になり、そして、仏になった。
地獄の底で自分自身を見つける。
落ちるとこまで落ちましょう。
一度に2人の母を失う男の覚悟。
カメラ目線のその視線はこっちと目が合うことがない。なぜか。俺が見えてないのか、あいつが見えてないのか。
正面のショットの変遷と、語り口。
その辺も、ちゃんとすごい映画だった。
不幸なことに不幸のない人ではなかった。
という名言もちらほら耳にするけれど、不幸を不幸としてしまうかどうかって話でありつつ、結局、自己不満足。自己満足満足。

鬼の鳴き声は玄しい、鬼の笑い声は虚しい。

これも芸や。は、呪いです。
とても、素敵な仕事だと思うけどな。
けったいやから、落語家になったのか、
落語家やから、けったいになったのか。、
最後は馬糞とか裸とかになるのは、見せ物やから、芸とは、違うねんて。思います。
全てが怖くてよかったです。身に染みました。嘘。
そして、少し、彼は不幸だった。飛び込んでた部分もあるけれど。それもまた、悪くないだろう。
やはり、それこそが一番の、ということを考えさせられた。もっとゼロから完全に飛び込んでいく人の話でもよかったけど。
かつてコレラの中、今も我々は、てんやわんや。

オープニングのトークがめちゃさいこー。
顔、すごいよな、時代は。時代。

僕の愛が、どうか届きますように。
どうか幸せでいておくれ。
矢吹

矢吹