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マルケータ・ラザロヴァーの10000lyfhのレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
3.0
13世紀東欧、王に仕える隊長と、盗賊に成り下がった 2人の名目上の領主コズリーク家とラザル家との、三つ巴の抗争、その荒波に翻弄されつつ若者世代男女が繰り広げる愛憎ドラマ。この内容の映画、国を問わず、ロマンティシズムで脚色しアクションが派手になる傾向があるが、本作は手持ちカメラによるリアリズム指向で、地域と季節もあり、寒々とした雰囲気。狼の群、鹿、羊、馬、鳥などの動物、乱雑に転がる死体、そして瞳の CU と、象徴的映像が印象に残る。ただ、ストーリー全体も各シーンもありがちで面白みに欠ける。リーダー同士が芝居がかった挑発をし合う戦闘直前にも興醒め。タイトルになっているラザルの娘マルケータは、コズリークの息子ミコラーシュと強制結婚させられた後、彼を愛するようになったようだが、受け身で控えめなキャラで、主人公というよりは時代の目撃者的な立ち位置。むしろ、主役多数の群像劇。劇伴は中世の声楽曲、戦闘シーンなどでは製作当時風の映画音楽、全般にフィーチャーされた女声が好感
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