のわーる

マルケータ・ラザロヴァーののわーるのレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
4.7
まず、1967年の作品なのに、全く古さを感じない。劇的な展開と人間ドラマの鮮烈さは、白黒映画なのを忘れるほど。

村を襲撃し、自分を誘拐した上に暴行まで加えた男に恋をしてしまうマルケータ。ストックホルム症候群だとしてもかなり重度なやつ。これほど凄絶な人生は、現代社会では決して経験できない。

人間の野蛮さに絶句する。教育を受けていないことの恐ろしさ。そもそも常識という概念がこの頃にはない。生き残り、勝ち続けた者だけが自分の正しさを主張できる。人類に道徳を広く浸透させる過程で、宗教の担ってきた役割の大きさを感じた。

ボヘミア王国は現在のチェコ共和国。チェコは僕が最も行きたい国で、映画も思い入れのある作品が多い。そしてこの映画もそのひとつになった。
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