アキラナウェイ

ケープタウンのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ケープタウン(2013年製作の映画)
4.0
うわぁ…。
完全にナメてた。

指輪物語のイケメンフェアリー王子ことオーランド・ブルームとハリウッド界の笑福亭鶴瓶ことフォレスト・ウィテカーの、ただのイケてるバディムービーぐらいにしか思っていなくて長らく放置。

ところがどっこい、すっとこどっこい。
骨太ヘビー級クライムムービーじゃないすかこれ。

南アフリカの都市ケープタウン。ある少女の殺人事件の捜査に当たるのは、ズールー人の警部アリ(フォレスト・ウィテカー)と酒浸りの刑事ブライアン(オーランド・ブルーム)。彼らは捜査を進めるうちに、被害者がある薬物を摂取しており、その薬物は最近多発している児童失踪事件にも関係している事を突き止める—— 。

南アフリカが舞台なので、英語はアフリカ訛り。特にフォレスト・ウィテカーのアクセントは強め。

オーリーは、「ロード・オブ・ザ・リング」のイメージを余程引っ剥がしたいのか、粗野でアル中の問題児を熱演。開始早々、全裸で登場。皆んな、画面に全集中!!←「鬼滅の刃」は未鑑賞。

作品の空気感がガラッと変わるのが、麻薬密売人がたむろすると言われるビーチでのシーンから。

耳ーーーー!!

腕ーーーー!!

うおおおおおおおお!!

ここからは、「この作品、本気だわ」と正座して襟を正す感じ。

いやぁ、重たい。
ケープタウンの闇が深い。

そして、アリのおっかさんよぉ…。
首突っ込むなよぅ…。
ほらぁ、言わんこっちゃない。

終盤はアリの復讐劇へと変貌していくドラマ展開。

墓標のオチもなるほど・ザ・ワールド。

いやぁ。
これは見応えがあった〜。

原題に"Zulu"と冠せられている事から、ズールー人のバックグラウンドがもっと描かれるかと思いきや、そこは控えめ。

でも、幼少期にあんな事をされたアリ。
娼婦をただ触る事でしかその欲望を満たす術がないというのも悲しい。

オーリーに対して、小綺麗な王子様イメージしか持っていない方には、目から鱗、眼鏡からレンズの秀作。