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ラマンの445のレビュー・感想・評価

ラマン(2004年製作の映画)
1.0
やまだないと原作の漫画作品の映画化。

おじさんの欲望と少女の妄想が合致した時、その物語は生まれた。3人のダディとの美しく儚い一年。

最初に言っておきますが、原作(小説、漫画)を超えられない実写作品というのはいくらでもあります。残念ながらこの作品もその一つです。私は原作が好きなのでつい見てしまいました。他のレビューを見るとワケが分からなかったという感想もチラホラ見られます。映画のレビューサイトで映画以外のことを書くのも気が引けますが、映画を見て面白くなかったと感じた方はやまだないと先生の原作を読んでください、としか言えません。やまだ先生の漫画はある意味「映画より映画らしい」ので、読んで頂ければ納得できると思います。本当に稀有な漫画家さんなので。

この映画の監督さんは漫画の映画化をたくさんされていらっしゃいます。ついこの前鑑賞した『娚の一生』も悪くなかったし、漫画原作とは違う『ヴァイブレータ』も面白かったです。ただ、『ラマン』の映像化はそれだけハードルが高かったのかなと思いました。

俳優さんのキャスティングもファッションも車や部屋の内装のセットもよかったのですが、何がいけないってヒロインがどうしても原作のイメージからかけ離れていました。主演の女優さんはお綺麗で演技も出来ていたと思いますが、如何せん、原作の退廃的なフレンチロリータみたいな世界ではなく、反抗期の中学生日記みたいな世界になっていました。それが残念です。女優ありきで成立する映画というのもありますから、この作品もカリスマ性を備えた美少女でなければダメだったのかなと思います。
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