花波

バクマン。の花波のレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
3.0

ジャンプが好き。ジャンプを読まなければ一週間が始まらないし、合併号の次の週、つまりジャンプが発売されない週はもはや屍のように過ごしてる。そんなジャンプの裏側を知ることができるこの漫画は本当に大好きだし、わたしが毎週アンケートを送るようになったのはバクマンを読んでからのことだ。


うーん、評価が高かったので、少し期待しすぎていたのかもしれない。原作の良さを映画にすべて詰め込むなんて、出来るはずがないことくらい分かってたのに。前半の、というか冒頭の、ジャンプの歴史が駆け巡るシーンが好き。ワンピース展で見た技法と同じで、動くようにコマが画面を駆けるのが最高だった、本当に熱かった。正直ここがわたしの中でピークだった。

駆け足で進むのは長い原作をどうにか収めるためで仕方ないからそこはいいんだけど、それにしても後半のつまらなさはなんなの。まだ終わらないの?、って思っちゃったよ。映画観ながら原作読みたくなっちゃったよ。ていうか読んだよ。あとキャラクターの薄さ。もはやシュージンでさえ脇役に見える存在の薄さにびっくり。駆け足で進むにしてももう少ししっかりキャラクターを確立させてほしかった。亜豆もエイジもね。亜城木夢叶って言葉は出てこないくせに突然シュージン!サイコー!とか呼び始めるのは笑えた。


良かったのは漫画を描くシーンの音。ペンが紙を滑る音、紙をめくる音、えんぴつが走るときの音。すっごく心地好くて、必死に描く二人を見ていたら夢中で絵を描くって本当に楽しいんだよなって、思い出した。今の時代デジタルで漫画を描く人も多いけどこの作品は徹底してアナログだから余計に映えるんだよね。液タブコツコツやってる映画なんて全然熱くならないもの。


だいぶいろいろ書いちゃったけど、原作を読んでなければ普通に楽しめるだろうし、友情努力勝利という一点においてはこの映画は良くできていたと思う。


ジャンプと最高に楽しいエンドロールに0.5点を捧ぐ。
花波

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