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バクマン。の346のレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
3.2
これを観るために漫画を一気読みしたのだけど、漫画みないほうがきっと楽しめただろうな。

配役が気になってしかたない。染谷将太はまずない。彼に責任はないのだけど、合ってない。新妻エイジのキャラはデスノートのLみたいなものだから、踏み切って漫画的な芝居が出来ないと観てて恥ずかしい感じになっちゃう。あと、どう考えてもサイコーとシュージンの役は逆だろう。

まぁ配役問題はいい。
新井浩文だけ素晴らしかった。でもそこはいい。漫画を読まなければ良かったと思ったとこはそこじゃない。いや、そこもあるけど。

1番気になったのは、この映画を漫画にしてしまったこと。
バクマン自体そりゃ漫画なわけだけど、あくまでバックステージ物なわけで、華やかな世界の裏側にある光と影の描き方にリアリティがあって面白かったのに、そこを排除して青春スポ根漫画みたいな映画にしてしまったことがどーしても引っかかった。 バクマンという漫画の持つ面白さは、王道の青春スポ根ものではなく、漫画界の裏側を描くというそれこそ邪道漫画としての面白さだったんじゃないのかな。

新妻エイジという天才を前にして、計算で何とか立ち向かおうとする右往左往や、邪道を行くしかないという彼らの腹のくくり方が、ジャンプ漫画の世界とは違う「友情」「努力」「勝利」として描かれないと駄目だったんじゃないかなぁ。
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