大作だけど大作じゃないみたいな変な感じが漂う『マンハント』に続きジョン・ウー監督のピーク終了を認識させられるのは哀しいです。
添え物的だけど長澤まさみ嬢（クレジットは“雅美”表記！）や黒木瞳さんが出ていて、音楽は岩代太郎氏だし、メインはチャン・ツィイー姐と金城武さんで、ジョン・ウー監督による大河ロマン二部大作なのに、大コケしたらしい本国より５年遅れでやっと日本公開。しかも全国でたった１５館の狭小上映扱いの意味が本作の寂しい位置付けを物語っています。
この Part Ⅰ は、大量銃器投入の戦闘シーンはあるものの、概ね大メロドラマの趣きで３組の男女の物語が並行して描かれますが、今ひとつ感情移入できないもどかしさが常に払拭されませんでした。海で船上なのにカモメでなく、お約束の“白い鳩”を飛ばしたのには笑ってしまいましたが．．．
まぁ最大の見せ場である大型客船“太平輪”の沈没が主軸である Part Ⅱ を観ない事には最終的な感想は書けませんが、何れにしても『レッドクリフ』の域を超えていないことは確かです。
