Pinch

ルック・オブ・サイレンスのPinchのレビュー・感想・評価

ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)
4.2
ハンナ・アーレントの言う「凡庸な悪」は、ほぼ全ての人々に当てはまる。似たような状況下にあれば自分も加害者側に立つ可能性は否定できない。恐怖の中で権力者の命令に従い、不正を正義として実行し、狂気が過ぎ去ったあと、何だかんだと理由をつけて「過去は過去だから」と蓋をする。少しでも正義がなされるとすれば、歴史の流れの中で辛抱強く待つしかないのだろう。しかし、どれほど長く待てばよいのか。正しいとは、間違っているとはどういうことなのか。

耳には聞こえない何かをじっと見つめるアディの目を通して、無言のメッセージが静かに響く。
Pinch

Pinch