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Mommy/マミーのunkoのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
3.7
2015年カナダで「S14法」が制定された。これは14歳以上の手に負えないADHDの患者を法的な手続き無しで入院させる権利を保証するというもの。15歳のスティーブ(アントワーヌ・オリビエ・ピロン)は更生施設で放火し、自宅に戻ってくる。
親子で過ごし始めたが、ダイアン(アンヌ・ドルバル)が言葉で諭しても通じない。ある日、Mommy型のネックレスを万引きしてきたスティーブ。返しに行こうと諭すと逆切れされ、首を絞められる。
咄嗟に反撃してしまい、怪我を負うスティーブ。そこに現れ、息子をなだめてくれたのは隣に住むカイラ(スザンヌ・クレマン)だった…。

画面の広がりが凄く有名な作品で、噂は聞いていました。
最初は1:1の大きさから、スティーブの心情やある感情的なシーンで画面が広がりを見せる。広がったところが見せ場なので非常にわかりやすい。

母と病気を抱える息子の愛情に始終する。病気さえなければ、お金さえあれば、放火さえしていなければ‥。
疲れ果てた母親と許容できそうになる息子が何とも言えない。緩やかに成長しているのだが、母親や世間が求める急成長ではない。
車内で見るダイアンの想像での成長したスティーブは泣ける。何も我儘な妄想でもない。
そしてその後の展開…。

しかしスティーブの愛情は途絶えることはない。悲しい話のように見えて、希望はあるように思える。
家庭環境を鑑みるにカイラのほうが危うい可能性すらある。あの家庭はどうなっているんだ?
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