ビョーキノオタク

Mommy/マミーのビョーキノオタクのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
2.0
あわわわわ、画面比率が正方形だあーーー

映画見初めて分かったけど、この画面比率が、障害を抱えた息子を養っていかなければいけない、という閉塞感、鬱屈感を表しているのか。

母親として、子供を愛してはいるけど、いつかは親離れさせて自立させなければいけない。という気持ちと、
母親への一方的な愛情しか持っておらず、分別がつかない子供。

病気の治療費、子供が起こしたトラブルへの賠償金、生活費の問題。
子供を愛してやりたい一方で、自分と一緒にいたら子供は幸せになることができないと判断しての選択か。


ラストの、暗い病院から明るい未来(外)へ向かうスティーブのダッシュは、
直前のシーンで母親が言っていた「入院させたのは希望を抱いているから。私は希望を選んだ。この世界に残された希望はわずかだけど、諦めなければ未来は残されている」というセリフと同じこと。
母親は子供と離れることが明るい未来に繋がると考えての選択で、
子供にとっては母親と居る事が明るい未来だと考えての行動だった。

二人は一緒にいればお互い幸せになれない。
二人の考える幸せは別方向にある。
どちらの選択が正解だったかは、未来にならないと分からない。

話の根幹にあるのは普遍的な(悪く言えば手垢のついた)テーマではあるものの、役者の演技力や、レンズフレアの入る感傷的な画作り、音楽、全てが高水準で、映像の説得力が頭ひとつ抜けてるアート映画だった。