これがドランの映画の一つの完成形なのかと｡
確かな美しさをドラマに乗っけてそれを誰が見ても揺さぶられる映像にしてしまうセンスは天才としか言いようがない｡それでいて遊び心もあって､音楽も秀逸｡これから彼の作品はどこまで飛躍していくのか少し怖い｡
これは個人の視点だけれど､自分もADHDで｡いつも衝動に駆られて現実に困窮してる｡だからスティーブには自然と感情が動いた｡自分も１５､６歳のときはヘッドフォンを耳に当ててその先が自由だと思ってた｡だから､あのシーンを見た時はボロボロ泣いたし､その後のスティーブの人生を思うと言い尽くせない感情を覚えた｡
きっと現実は拘束具みたいに彼の隣にあり続ける｡でも､自由を求めたくなるからまた生きることを選ぶんだろう｡
自分にとって特別な映画の一つ｡
