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あの日の声を探してのMoscatoBiancoのレビュー・感想・評価

あの日の声を探して(2014年製作の映画)
3.0
惜しいですね。
序盤はかなり厳しい話で、期待が高まりました。主人公9歳のハジの名演にも泣かされそうになりました。
でも、EU職員のキャロルが関わってからは、普通の今どきのヒューマンドラマになった気がします。盛り下がりました。
ラストも映画的にうまくまとめてるんですが、おかげでインパクトがありません。まとめなくてもよかったんじゃないでしょうか。

脇役のロシア兵は、刑務所に入れられる代わりに、強制入隊させられます。軍でボコボコにされます。軍の訓練や生活の目的の一つは、兵の正気を失わせることです。平気で人を殺せるようにするためです。見事に成功します。

ハジの家族がイスラム教徒だったので、もしやと思って調べたら、やはりチェチェン共和国はイスラム教の国でした。スンナ派です。
この映画でも示唆されているように、EUや西側諸国の反応が鈍かったのはそのせいでしょうか。

この映画は、ロシアの大統領がエリツィンからプーチンに代わる直前くらいが舞台です。
1999年末から2000年初。プーチンは首相でした。
結局チェチェンはロシアに制圧され、親ロシア国家になりました。今は特殊部隊がウクライナで暗躍しているそうです。ロシア陣営です。
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