このレビューはネタバレを含みます
マリ共和国のイスラム社会に過激派が忍び寄る様子が描かれている
イスラム教といっても元は他の宗教と同じように人間の幸福を説いた教えのはず
しかしどの宗教も権力と結びつくと民衆に牙を剥く
この舞台である砂漠地帯の人々は信仰心が深く人間としての道徳感の中でゆったりとした生活をしていたようだ
そこに過激派が支配を展開していくのに時間はかからなかった
人々は過激派の支配にも最初は深刻に捉えることも無く、女性は黒い手袋をするように〜と言われても持ってませーん、みたいな緩い感じだったのに、気がつけば、歌を歌ったとか、男性と電話をしたなどで、拷問を受けることに
そういった事態を受け、やっと人々は過激派の台頭で自分達の社会が変わってしまったことを理解する
都合の良いイスラム教の解釈で人々を苦しめる過激派の矛盾と悪を告発するかのような作品なのかな