ふわふわ

アメリカン・スナイパーのふわふわのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.0
反戦でも戦争賛美でもなく、一人の兵士が伝説的なスナイパーになるにつれ精神を病んでいく姿が描かれているように思う。

戦争がいかに人を狂わせるかが、誤解を恐れずに言うと興味深く面白かった。
主人公のクリス・カイルが何度も言うイラクの現地人への“蛮族”という言葉。
武器を手にした者は女も子どもも殺さなければいけない状況で“蛮族”と思わなければギリギリの精神を保てなかったのだと思う。
撃たれた兵士の武器を拾い上げた子供に「捨てろ!捨ててくれ!でないと撃たないとならない」と思うシーンが印象的。

また、“フルメタル・ジャケット”を彷彿とさせる新兵訓練シーンも印象的。ああ言う場面は文句なしに楽しい。
30歳になって入隊したクリスに教官が「ジジイめ!ノアの方舟の生き残りか?何歳だ?」「30歳です!」「こいつらの親かよ!」って(笑)

主演のブラッドリー・クーパー、素の美形っぷりとはかけ離れた、いかつい姿にびっくり。すさまじい役作りだ。18kg増量したと見かけた。

何度も戦地で銃撃戦の中、奥さんに電話するがあのような事は本当にあるんだろうか。

敵側のスナイパーにも平和な日常がある場面もすごく良かった。

史実でもあるラストは重く悲しいけど戦争、そしてアメリカの闇の部分だと感じた。銃が合法的な国でなければあぁはならなかったかもしれない。
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