『銃を扱うということ』
初めて僕が手にした時は、ズッシリとした感覚となんとまあ無機質な鉄塊だな、という印象だった。
(ただ、銃剣を突き付けられた時は思わず恐怖した ああ武人としての才能はないのだと悟った良き思い出)
かつて槍や刀で刺し違えていた時代は、肉の感覚が得物を通して伝わったんだろうが、鉄砲はその辺の感覚がバグってしまう。
クリス=カイルが数度の派遣と帰還を繰り返す中で、戦場と日常のギャップに苛まれたのは想像に難くない。
少なくとも現代戦において、戦場のロマンや愛国心なんてものは平時の幻想にしか過ぎないのかもしれない。